広島県の北部地域には、歴史を伝える古民家が今でも多数残っています。家族で囲炉裏を囲んだ思い出、立派な大黒柱、大工さんが墨づけした梁(はり)や桁(けた)。それらが次の世代に受け継がれることで、家族の絆がより強くなる様子を私たちはたくさん見てきました。そのためには、台所、お風呂、バリアフリー改修、耐震補強、採光や断熱など暮らしやすさを考えたものにしなければなりません。ただ梁(はり)や桁(けた)を活かした開放的な空間を実現したとしても、お部屋自体が寒くなってしまったのでは快適な住まいとは言えません。「古民家再生」において重要なこととは、伝統的な家屋を守っていくのと同時に快適な住環境を実現することが大切なのです。
それらを実際に肌で感じていただくために、古民家再生ショールームCACAWARIとリフォームショールームYUTOROGIを開設しています。そこでは実物のサンプルをご覧いただけますので、リフォーム後の住まいのイメージを体感いただくことができます。
土間に面したLDは、梁をあらわしにして開放感のある空間に。
壁と天井はOSB仕上げでほかの部屋とメリハリをつけました。
法事など親族が集まるときのため、廊下も取り込んで大空間の洋室に天井は木目のクロス、床は杉の無垢材を採用。階段は広い空間を遮らないデザインにしました。
まずは、今の状態を調査(インスペクション)するところからはじめます。 私たちが考える「診断(耐震診断含む)」は、「家守り」の視点から考えられています。 「家守り」とは「お客様の大切な家をいつまでもお守りする」という意味が込められています。 例えば、車には「車検」という制度があり、数年に一回の点検が国によって義務づけられています。 ところが家には、そのような制度がありません。 普段の暮らしの中で不具合が目で確認できるものは対応できたとしても、 普段気づかない部分(例えば屋根、床下、天井裏など)を確認することは至難の技といえます。 「住宅総合診断(耐震診断含む)」は、普段気づかない部分を専門のスタッフが点検、お客様に報告するところまでを しっかりと行います。
こうして今住んでいるご自宅の現状を把握いただくことが、「家守り」に繋がると考えます。